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私の親は、大手の車会社の取締役です。

気さくで、人当たりがよく、周りからの評判が良いようです。

よく、酒屋のおじさんからは、「君のお父さんは優しいねえ」と言われます。

私はうんと頷きます。

 

でも、それは嘘なんです。

人間誰しも裏と表がありますが、

私の父は、従業員と私に対してはまともな扱いをしてくれないんです。

 

「お前がいいようになるのが気に食わねえ!」

そう吐き捨て、徹底的に嫌がらせをしてくるのです。

 

私の顔に腫瘍ができました。

「その顔みっともねえんだよ」と父は繰り返し怒鳴ります。

そして、「いい病院なんて連れてってやんねえ」と言い、

わざと評判の悪い病院に連れて行き、手術を失敗させます。

そして傷跡が残ったことを私に対し怒ります。

父は何がしたいのでしょう。

 

父は、ニュースの家族間の殺人事件を例にあげ、

「言うことを聞かなかったら殺す」と言います。

どこかで私が働こうとすると、

父はその企業に押しかけて文句を言います。

監禁され、殺されかけます。

若者が自分で選択したということを不快に思ったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の私はこんな気分です。

 

 

 

『Itと呼ばれた子』なんて本がありますが、

父にとって、私は《もの》以下の存在なのかもしれません。

だって、《もの》には嫌がらせをしたりしませんから。

 

 

 

私は体も心もぼろぼろになりながら、ひとつだけ決意したことがあります。

私は正社員にはならない。

正社員になったって、いつ親が妨害しにくるかわからないし、意味ないじゃん。

会社は新入社員に親を大事にすることを求めるが、

ということは私が正社員になることは、私の親というものを肯定することになる。

だから絶対にならない。

 

 

 

そして私は探し続けるんだ。

正社員だから大人のマナーだからではなく

生きている証を。

 

 

 

 

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